『あらゆる出来事は普遍意識がその総てを司っていると言う不変の原理に立てば、
外側の世界がどんなに混乱していたとしても、絶対的平安の心の状態に留まり、自
らの深奥より表現される、神の愛と叡智に全托すると言う行き方が唯一の正しい選
択です』(葦原瑞穂氏)
こんにちは。“魂のコーチング”アクシスエボリューション田中伸一です。
「ぜんぜん、わかってなかったな」。先日、5月の初回放送を見逃し、ずっと気に
なっていたNHKスペシャルの『発達障害~解明される未知の世界~』の再放送と
関連する番組をいくつか観ての感想です。息子にも障がいがあるため、ある程度わ
かっているような気持ちでいたのですが……。そして、(続きはあとがきで)
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■1 内側の智慧に因ってのみ正しい判断ができる
■2 気管切開手術日前夜(不定期連載第9回)
■3 あとがき
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■1 内側の智慧に因ってのみ正しい判断ができる
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『黎明・上巻』(葦原瑞穂氏著)からのご紹介です。
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智慧は、この叡智がある程度具体化したもので、常にその人の内側から啓示されま
す。これに対して知識は本や人から得たもので、外側にあるものです。この違いが
大変重要であるのは、人間は内側の智慧に因ってのみ、自分自身の正しい判断を行
うことができるからです。
外部からの知識は参考にするのは良いことですが、書物や人の意見に全面的に頼る
ようになって、自分で考えることを放棄すれば、この考えを受け容れようとしたり、
あの考え方に合わせようとしたりして振り回されることになって、迷いを増やすこ
とだけの結果になります。
「二兎を追う者は一兎も得ず」という諺と共に、「一石二鳥」があり、「君子危うき
に近寄らず」があるかと思えば「虎穴に入らずんば虎児を獲ず」というように、外
側の知識には常に相反する表現がありますが、その人自身を通して内側から表現さ
れる智慧は、その人の直面している特定の状況に完璧に合致した、唯一の方向を示
すもので、迷うということがありません。
およそ学問等とは縁のなかった昔のお母さんが、自信を持って子供を育てていたの
に、大学で児童心理学を専攻した現代の母親が育児ノイローゼになったりすること
があるのは、この知識と智慧の関係をよく表しています。
羽仁とも子さんは、赤ん坊が授乳の時間ではない時に乳を欲しがった場合の対処の
仕方について、「決まった時間になるまでは絶対に与えない」というのも、「欲しが
るときにいつでも与える」といういのも、両方共に良くないとし、「与えるべきか
どうか迷ってオロオロする」というのはもっと良くないと言っています。
(「おさなごを発見せよ」羽仁とも子著 婦人之友社)
決まった時間以外に絶対に乳を与えないというのでは、赤ん坊が本当にお腹が空い
ているときには、実情を無視した対応になってしまいますし、欲しがるときにいつ
でも与えていれば、赤ん坊は本当に乳を必要としていないときに、甘えや感覚的な
欲望の増長を覚えてしまうからです。
ではどうするのかと言うと、「赤ん坊が、生命の欲求として乳を欲しがっているの
かどうかを見極めて、与えるかどうかを決める」と説明していますが、これこそが
母親の内側からくる智慧のはたらきなのであって、決して知識としてマニュアル化
することはできないものなのです。
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私たちには、物事に白黒つけてはっきりさせて、安心したいという思いがあります。
それはそれで、必要な場合もありますが、自分自身や相手の状態やその場の状況に
よって一概に言えないケースが実際には多いように思います。
色んな知識を得ながら、実践・体験し、自分の内側の感覚を磨いていく。そして、
周囲に振り回されることなく生きていきたいと思います。
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■2 気管切開手術日前夜(不定期連載第9回)
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私の身近で最も尊敬するのが息子の彰悟。数年前にその彰悟のことを書き留めてお
いたものを不定期で連載しています。(前回まで…誕生後、血小板減少、ダウン症
と診断。その後、肺炎と呼吸困難で緊急入院。気管軟化症と診断され、こども病院
へ転院、気管切開の手術へ)
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「手術には立ち会えないけど、前の晩は、病院に行くから」と妻と約束していた。
「うん。でも無理しないでね」妻も付き添い入院で大変だったが、私にもいつも思
いやりのある言葉を掛けてくれていた。
何気ない約束だが、私にできることは、ほとんどなく、前日のお見舞いがせめても
の私にできることだった。仕事を終えてから車を運転しての片道3時間、往復6時
間は長いが、彰悟や妻に会えると思うと、それも楽しみだった。
その日の夕方、上司から飲み会の誘いがあった。職場の男性社員は全員参加だ。
病院に行くので断ろうと思い「明日、手術で」と言いかけたら・・・。
「それなら、飲みに行って色々話をきいてやろう!」仕事はバリバリできる上司だ
った。今から私が病院に行くとは思ってもいないようで、私もその上司の雰囲気に
飲まれて発した言葉は「はい・・・」それ以上、何も言えなかった。
飲み会に行く前に妻に電話したかったが、携帯はそんなに普及していない時代だ。
連絡できない。妻には申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、そのまま飲み会に。
飲み会では、上司がいろいろと心配して私の話を聞こうとしてくれた。
「子どもさんの病気の具合はどうね?」
「はい。明日手術で・・・」気管切開の手術のことを話した。これから病院に行っ
て、妻や彰悟に会いに行くことになっているということは、当然ながら言えない。
(あ~、早く飲み会終わらないかな)
話が進んでいくと、その上司が私のためにこう言った。
「今、田中君がこうして欲しいということをまとめてきなさい。職場でも協力しよ
う。早い方がいいから、明日の朝一番に、私に出して」
「はい」ありがたい言葉ではあるが、心の中では「明日の朝までの書く時間あるか
な。できるかな」という気持ちだった。
飲み会が終わったのは夜10時近く。飲み会と言っても、お酒は飲まずに済んだの
で、「これから妻と彰悟に会いに行くぞ!」という気持ちで、急いで家に帰り、病
院へ向かった。
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■3 あとがき
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発達障害は、見た目には、わかりにくく、周囲の人には気づきにくい障がいです。
障がいの種類は、自閉症、学習障害、注意力欠陥多動性障害など様々です。
また、音の聞こえ方、目の見え方も一般の人とは異なる場合もあり、普通の人と同
じように過ごしているだけでも非常に疲れるケースもあるようです。
学習障害がある方の話では、「仕事でメモをとるように言われても、その障害(脳
の神経回路)ために、やろうと努力してもできず、人から『やる気がない、なまけ
ている』と見られる」こともあるようです。
発達障害は、その障がいの程度が、社会生活を営む上で、困難なケースに認定され
るようですが、例えば、片づけが苦手な人、時間にルーズな人は、障害ではないか
もしれませんが、もしかしたら、きちんとしている人の数倍の努力をしないと脳の
機能的に難しい可能性があるようにも思いました。
「当たり前のことだから」、「自分ができるから」と言って、人に同じようなことを
求めるケースは社会生活をする上では、よくあることだと思います。でも、実際の
ところ、相手がどのような状態かを知ることは困難です。障害があろうとそうでな
かろうと、可能な限り、相手に寄り添い、相手を知ろうと努力する姿勢が、私たち
が共に生きていくうえで必要なことだと改めて感じました。
最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様に、すべての良きことが向かっています!