心の成長と幸せのコーチング 田中伸一 アクシスエボリューション Axis evolution

配信日: 2015/11/27

vol.85 わたしは何が欲しいのか、何があれば満足するのか (2015.11)

『高貴さは自分を肯定してひたむきに生きている魂に宿るのかもしれない』(柴咲
コウさん)

 


こんにちは。“魂のコーチング”アクシスエボリューション田中伸一です。

 


最近、新しい研修テーマに取り組んでいます。そのテーマは『人間の心の成長過程』。
発達心理学をベースにしたもので、以前から色々と学んできたものを自分なりにま
とめ、研修しています。自分自身に対してもそうですし、色んな人との関わりの中
で、いつもこの視点を持ちながら生活している感じです。(*^_^*)

 

*****《 メニュー 》**********************

 

■1 わたしは何が欲しいのか、何があれば満足するのか
■2 不定期連載第2回「息子の診断結果」
■3 あとがき

 

***********************************

----------------------------------------------------------------------
■1 わたしは何が欲しいのか、何があれば満足するのか
----------------------------------------------------------------------

 

『奇跡のコース』のワークを学ぶガイドブック3『聖なる関係(1)』(香咲弥須子
さん著)からの紹介です。


 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

わたしは何が欲しいのか、何があれば満足するのか、人生の目的は何なのかという
ことに思いを向けるとき、よみがえってくる記憶があります。

 

小学校の5年生でした。新年度に女生徒がひとり、転校してきました。すば抜けた
美貌の持ち主で、その笑顔ときたら、心溶かされない者などあり得ない、というほ
どのもの。ところが、彼女はいじめの対象になりました。とくに男子からです。

 

折り目正しく、言葉遣いはすでに子どものものではなく、勉強もよくでき、服装も
凝ったものでした。「気どってやがる」と男の子たちは言います。それに加担する
女子たちもいました。彼女の立ち振る舞いはまるで女王様のように見え、近づきに
くいところがありました。

 

わたしは、たまたま家がはす向かい同志だったので、登下校を一緒にし、お互いの
家に遊びに行く間柄になりました。彼女は、「東京の学校に転校するのだから、き
ちんとしないと笑われると思っただけなのに」と、キザと呼ばれることにショック
を受け、涙をこぼしていました。

 

彼女はおそらく、その東京の生徒たちが、頭脳は平凡で、たいしてお洒落でもあか
抜けてもいないことに、拍子抜けしていたのではないでしょうか。そして陰険な子
どもっぽさにへきえきし、傷ついていたことでしょう。

 

その彼女が、夏休み前の日曜参観日に、またひとつ“爆弾発言”をしました。ずら
りと父兄に囲まれておこなわれた授業は、「人生の目的について考える」という討
論会でした。

 

そのような命題を与えられたわたしたちの意識は、たいてい、将来の職業、“解決
すべき社会のあり方”―お医者さんになって病気の人を助ける、政治家になって貧
乏をなくす、など―に向かったはずです。わたし自身が何を考え、何を発言したか
は覚えていませんが、そのたぐいのことであったに違いありません。問題意識をも
ち、そのために解決策を見つけることが、すでに子どもたちの頭に刷り込まれてい
ました。

 

その日、くだんの転校生だけが、異質の発言をしました。その日の彼女は、長い三
つ編みに白いレースのリボン、白いフリルが襟元と袖口にふんわり立った装いで、
順番が来たとき、彼女はまるで白鳥が首をもたげて羽根を広げたかのような姿で、
「わたくしは、幸福になろうと思います」

 

と、“宣言”しました。教室のあちこちで、ゲーッという声がしました。わたしも、
このときばかりは心の中でゲーッと思いました。“わたくし”という言葉がとりわ
けキザに聞こえたのはもちろんのこと、発言内容はとてつもなく自己中心的、人の
ことはかまわない態度が透けて見え、意味は空虚で、「友達と思っていたに、がっ
かり」でした。

 

でも、わたしがこのことをよく覚えているのは、帰宅後、父が、「あの子はすごい」
と言ったからです。「あのトシでもう、本当のことをつかんでいる。ずっと忘れず
に成長することを祈らずにはいられない。おまえもいつか、そのことに気づくこと
を願っている」。

 

わたしはそのとき、たぶん、父はわたしを「ただのお嫁さんにしたいだけなのだわ」
と反発したに違いなく、父のその言葉を理解しはじめたのは、ずっとあとになって
からのことです。

 

いいえ。今でも、忘れることがあります。目先の「○○をしなくちゃ」「なんとか
せねば」「どうしたらいいだろう」にとらわれるとき、わたしは、幸福であること
が自分の理想であり、すなわち義務なのだということ、自分の願いであり、すなわ
ち本質だということを思い出さなくてはなりません。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

人生の本質を見極め、本当の自分を生きていこうとする彼女に感銘を受けました。
目先のことに取り組むことも大切ですが、その本質をいつも心に置きとめて生きて
いこうと思います。

 


----------------------------------------------------------------------
■2 不定期連載第2回「息子の診断結果」
----------------------------------------------------------------------

 

私の身近で最も尊敬するのが息子の彰悟。私がこれまで生きてきた中で一番影響を
受けた人物でもあります。数年前にその彰悟のことを書き留めておいたものを不定
期で連載しています。前回、その誕生の日、医師から「ダウン症かもしれない」と
告げられました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

妻から「先生と何を話していたの?」って聞かれた。
「うん、『少し早く産まれたから、色々と検査する』って言ってたよ」
「そうね」
それよりも、ダウン症ってなんだろう。病院から出て、真っ先に行ったのは本屋さ
んだ。
ダウン症には、見た目の違いや知的障害やいろんな合併症がある。ただ、これも個
人差があって、普通の人と変わらないくらいの人もいるし、勉強して大学に行って
いる人もいる。仮にダウン症であっても、そんなに悲観することはないかも知れな
い。そう思った。

 

それから、2日後、妻から電話があった。
「血液検査をしたら、血小板が極端に少なくて、輸血しないといけないって。そし
て、この病院じゃ対応できないから別府の病院に転院することになるって。病名は
血小板減少だって」
「大丈夫?」
「うん、しばらく様子を見ないといけないけど。赤ちゃんも頑張っているから。そ
う、名前決めた?」
「いや・・・。まだ」
「早く決めて。名前で呼びたいの。呼び名が『赤ちゃん』じゃかわいそうよ」
「うん、考えるよ」

 

産まれて2日後、赤ちゃんは妻とは違う病院に転送された。
赤ちゃんは別府の病院。妻は国東の病院。2歳の娘は妻の実家。そして、私は福岡
の家だ。

 

次の休みには、妻も退院。妻と娘と私と義母の4人で赤ちゃんのいる別府の病院へ。
保育器に入っていて、触ることはできないけど、すやすや眠っている。
私たちは「彰ちゃん」って呼んだ。名前が「彰悟」決まって、妻も少し落ち着いて
いた。

 

妻は、その彰悟のために、毎日、母乳を絞り出していた。直接、おっぱいをやるこ
とができないので、1日に何度もおっぱいを絞って、冷凍パックに入れている。そ
れが、現時点で妻が彰悟にできる唯一のことだ。
「彰ちゃん。お母さん、おっぱい持って来たよ」優しさに溢れる言葉だった。

 

そして、1カ月が経ち、彰悟のダウン症についての正式な診断結果が出た。妻と私
とで先生の話を聞きに国東の病院へ。

 

私たちを前に、先生はこう告げた。「彰悟君はダウン症です」

 

私は、その頃には心の準備はできていた。それよりも、妻がどう受け止めるかの方
が心配だった。妻も私と同様、ダウン症については、あまり知識がなかったようで、
先生に色々と質問していた。次第に妻が混乱していくのがわかった。

 

二人になって妻に聞かれた。「彰悟のダウン症、知ってたの?」
「うん。正式には今日聞いたけど、彰悟が産まれてすぐに、先生からダウン症かも
知れないって。でも、検査しないと正式にはわからないからって。そして、俺も今
日、検査結果を初めて正式に聞いた。先生からは、奥さんに言わないように言われ
ていた。ダウン症じゃないかもしれないし、出産後は精神的に不安定な時期だから
って」
「・・・」妻は無言だった。

 

病院から帰りの車で、彰悟の将来について二人でずっと話していた。
普通に生活できるのか? 合併症は起こらないのか? 結婚できるのか? 
妻の不安はますます募っていった。彰悟はいまだに別府の病院に入院中だ。

 


----------------------------------------------------------------------
■3 あとがき
----------------------------------------------------------------------

 

この秋は、個人的なイベント事や家族での旅行など普段行かないところで、非日常
や自然を存分に感じることができました。日常の生活や仕事も楽しいのですが、い
つもと違ったリフレッシュをすると心もバージョンアップしたように感じます。

 

今年も残りあと1カ月と少し。まだ、やり残していることもあるので、今年1年や
りきったと心で感じれるように日々を過ごしていこうと思います。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございます。


皆様に、すべての良きことが向かっています!

 

お知らせ・無料メールマガジン アクシスエボリューション通信 自分らしく生きるヒントになるメールマガジンを毎月1回お届けします。お気軽にご登録ください。