心の成長と幸せのコーチング 田中伸一 アクシスエボリューション Axis evolution

配信日: 2016/08/31

vol.94 反応しないことが「最高の勝利」 (2016.08)

『心の内側を見ず、外の世界に反応ばかりしている人は、欲望に流される。心の内
側も、外の世界もよく理解して、煩悩に覆われないクリアな心で見る人は、欲望に
流されない』(仏弟子ラクンタカの告白 テーラガーター)

 

 

こんにちは。“魂のコーチング”アクシスエボリューション田中伸一です。

 


3年前に家で果物が収穫できればと思い、庭にイチジクの苗木を植樹。1年目、2
年目は数個しか収穫できませんでしたが、木もぐんぐん大きく育ち、お盆前から連
日イチジクの実を収穫し、美味しく頂いています。カラスにつつかれていたので、
カラスには申し訳ないですが、防鳥ネットを張っています。(*^_^*)

 


*****《 メニュー 》**********************

 

■1 反応しないことが「最高の勝利」
■2 彰悟との付き添い入院(不定期連載第5回)
■3 あとがき

 

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■1 反応しないことが「最高の勝利」
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『反応しない練習―あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』
(草薙龍瞬氏著)からのご紹介です。


 

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ブッダは、その名の通り“目覚めた人”として、当時のインドで日増しに有名にな
っていきました。何百人もの弟子を抱える高名なバラモンでさえ、ブッダの弟子に
なる者たちが出てきました。

 

インドでは、今も昔も、カーストが絶対的な意味を持っています。ブッダのカース
トは、バラモン(司祭階級)より下の“クシャトリア”(武士階級)でした。その
ブッダに、最上位カーストのバラモンが弟子入りするというのは、当時はかなりシ
ョッキングな事件だったのです。

 

あるとき、ひとりのバラモンが、自分と同じ姓を持つバラモンがブッダの弟子にな
ったことを耳にしました。プライドの高いバラモンには、これが許せませんでした。
ものすごい剣幕でブッダのところに押しかけ、弟子や訪問者たちが大勢いる目の前
で、言葉のかぎりを尽くして誹謗中傷を浴びせました。辺りには並々ならぬ緊張が
走りました。

 

ところが、ブッダは、静かにこう返したのです。

 

「バラモンよ、あなたが自宅でふるまったごちそうを客人が食べなかったら、それ
は誰のものになるか?」

 

質問されれば、答えざるを得ません。バラモンは「それは当然、私のものになる」
と答えました。

 

「あなたは、その食事をどうなさるのですか?」

 

「それは自分で食べるだろう」とバラモンは答えました。

 

すると、ブッダはこう言ったのです。

 

「もし罵る者に罵りを、怒る者に怒りを、言い争う者に言い争いを返したならば、
その人は相手からの食事を受け取り、同じものを食べたことになる。わたしはあな
たが差し出すものを受け取らない。あなたの言葉は、あなただけのものになる。そ
のまま持って帰るがよい」

 

ここでの「食事」とは、バラモンがぶつけてきた非難の言葉です。もし相手の言葉
に反応して言い返せば、自分も同じ反応をした―食べた―ことになってしまう。だ
から決して「受け取らない」。つまり「反応しない」というのです。

 

ブッダは、ふつうの人なら腹を立てるようなことを言われても、「無反応」で返し
ました。

 

というのも、「苦しみのない心」を人生の目的とする以上、「反応して心を乱される
ことは無意味である」と、はっきり知っていたからです。どのようなときも決して
反応せず、ただ相手を見すえて、理解するのみ―その立場に徹していたのです。

 

このブッダの合理的態度から学べることは、「反応しないことが最高の勝利である」
という理解です。

 

仏教における勝利とは、相手に勝つことではありません。「相手に反応して心を失
わない」ことを意味するのです。

 

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その場のネガティブな感情によって行動すること、「反応的」、自分の価値観にそっ
て行動することを「主体的」と言います。
自分が生きていく上での価値観や人生観を明確にし、物事を一歩引いて観察し、価
値観にそった生き方をしていきたいものです。

 


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■2 彰悟との付き添い入院(不定期連載第5回)
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私の身近で最も尊敬するのが息子の彰悟。私がこれまで生きてきた中で一番影響を
受けた人物でもあります。数年前にその彰悟のことを書き留めておいたものを不定
期で連載しています。(前回まで…誕生後、血小板減少、医師に「ダウン症」と告
げられ、その後、肺炎と呼吸困難で緊急入院、気管内挿管をする)

 

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彰悟の入院生活はいろんな面で大変だが、生活に張りが出てきた。仕事を早く終え
るようになり、「妻と彰悟に会いに行きたい」と心の底から毎日思った。「お弁当は
何を買おうか。どんなお弁当を喜んでくれるかな」と真剣に考えた。

 

そして、病院での彰悟との3時間を片時も目を離さずに過ごした。彰悟のちょっと
した表情の変化や指の動きが私の心を動かした。妻と過ごす短い時間もお互いを思
いやる時間になった。彰悟が毎日呼吸でき元気にしているだけで良かった。

 

それから1カ月。彰悟の肺炎も治った。そして、気管に送管している管を抜くこと
に。これで退院、家に戻れると思った。

 

彰悟が処置室に入った。
「これで1カ月振りに家族4人で暮らせるね」私が言った。
「うん。○○(娘の名前)とも一緒だね」妻が嬉しそうに答えた。

 

土日は、2歳になる娘と一緒に過ごした。最初の土日は、私が娘を預けている実家
に泊まり、次の土日は、妻が家で娘と過ごし、妻の実家に連れていく。そして、3
週目の土日は、妻の実家にいる娘と妻が過ごす。なので、2週目以降の土日は、私
が泊まりでの付き添い入院だ。

 

付き添い入院を妻と替わって思ったが、彰悟の容態を見ないといけないので、夜も
芯から寝れない。寝ていても彰悟の呼吸の状態が気になり、30分から1時間置き
に間が覚めてしまう。私は週に一回だが、妻はそれが毎日続いていた。結構ハード
な日々だ。でも、これで妻も普通の生活に戻れる。

 

彰悟が処置室から出てきた。
「えっ!」私と妻の第一声だ。

 

彰悟は挿管したままだ。私と妻は、肺炎は治ったはずではと思った・・・。

 

それから先生の説明があった。
「肺炎は治ったんですが、気道がずっと管をいれていて弱くなっていて、抜管する
と気道が塞がって・・・。また、挿管して気道を確保しないと呼吸ができなくなっ
てしまいます。それで挿管することにしました」

 

「肺炎が治ると挿管しないでいいって言いましたよね」
私は先生に詰め寄るように言った。

 

「そうは言ったんですが・・・。気管軟化症という病気です」
それから、先生から気管軟化症の症状の説明があった。

 


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■3 あとがき
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『反応しない練習―あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』
の中から、もう1つ紹介です。

 

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仏教では、“方向性”をよく考えます。自分はこれからどんな人生を目指すのか、
という方向性。相手とどう関わっていくのか、という方向性です。

 

方向性として「あってはならない」ものが、相手と苦しめ合うこと、憎しみ合うこ
とです。そのような関係は、人生の目的にはなりませんよね。

 

人はときどき、苦しめ合う関係を、ずっと繰り返すことがあります。関わることの
目的を確かめようともせずに、ただ、自分の期待、思惑、都合、要求、過去へのこ
だわりに執着して、「正しいのは自分で、間違っているのは相手」と、いつまでも
思いつづけるのです。

 

ここでもブッダが語った、「執着こそが苦しみを生んでいる」という理解に戻るべ
きです。ただ、言葉で理解するのではありません。実感として、「苦しめ合ってい
る」という事実に目を醒ますのです。そして、こう考え直してください。

 

苦しめ合うために、関わっているのではない。
理解し合うために、お互いの幸せのために、関わっているのだ。

 

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最後までお読みいただきありがとうございます。


皆様に、すべての良きことが向かっています!

 

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