最近、コーチングのセミナー・研修の仕事の割合が増えてきています。
昨日、ある経営者の方から
「コーチングで大事なものを一言で言うと何ですか?」
と質問されました。
通常は「気づき」です。
私は、別の言葉を言いました。
「信頼」と。
私自身、会社の管理職として部下を抱えたこと、また、120名の社員を持つ会社の社長(雇われ社長ですが)を務めたことがあります。
また、現在は人事コンサルタントとして中小企業の組織活性化のお手伝いをしています。
経営者や管理職層を対象にコーチングの考え方やスキルの研修も行います。
それを部下育成や組織のコミュニケーション向上に役立てもらい、中小企業の発展に貢献したいと考えているからです。
コーチングは「相手の目標達成をサポートするシステム」といわれ、そのために、相手に質問して、気づきを与え、行動を促します。
そのコーチングで大事な一言が、なぜ「信頼」か。
自分の過去の経験から、部下を完全に信頼する気持ちがないまま、相手に「気づき」を与えよう⇒「気づかせよう」として質問しても、上手くいきませんでした。
なぜか?
部下は上司から「信頼」されていないことをわかっているからです。
そんな上司から、気づかせようというような質問をされても、真剣に考える事はできないからです。
会社にもいろんな部下がいるので、本当の意味で「信頼」することは、簡単ではありません。
部下のできていないところに、ついつい目が行ってしまいます。
私がそうでした。
それでも、部下の可能性や能力を信じる気持ち持ち続けられる状態になったとき、初めて「気づき」を与える質問が活かされるのです。