今、日本で一番有名なコーチと言えば北島康介選手を育てた「平井伯昌」コーチ。
今週のNHK「プロフェッショナル」では、北京五輪スペシャルとして「競泳コーチ 平井伯昌」が放送された。
この放送では、平井伯昌コーチを「プロフェッショナル」のいくつかの観点で解説。
「ワンポイントで伝える」…一度にいくつものことを気にしながら泳ぐことはできない。なので、その時に最適な言葉一つで伝える。
「選手の一歩前を歩く」…選手は様々なプレッシャーの中で戦っている。選手と同じ目線も大事だが、コーチは一歩前を行き精神的にも選手をリードしていく。
「精神は体で鍛える」…オリンピックは世界最高峰の舞台。精神的にも重圧がかかる。それを補うのは、それまでの選手自身のやってきた練習。極限までの練習で、精神力を鍛える。
どれも納得。
そして、この放送でコーチとしての基本的なあり方を再確認。
「選手をよく見ている」
…常に選手をよく見ている。練習内容も直前まで決めず、その選手の状態をみて最適な練習を決める。また、放送であったのが、中村礼子選手の背泳ぎのスタートのバーの握り方一つで、先週の心理状態を見抜きアドバイスするシーン。
「信頼関係」
…選手をよく見、その時に応じたコーチの最高の言葉でアドバイス。選手もコーチに全幅の信頼を寄せる。もちろん、その前にコーチが選手の可能性を信じる。ここからスタート。そして、最高の信頼関係が築けている。
「すべてをコーチ自身の責任としている」
…平井伯昌コーチがコーチとなって15年。素晴らしい成果をだしているが、当然失敗もある。選手が結果を出せなかった時も、すべてコーチ自身のコーチとしてのあり方や指導・アドバイスに問題があったと考えている。8年前、シドニー五輪で北島康介選手が予選落ちした時も、「すまない俺のせいだ。」と。
この姿勢が、コーチ自身の力となり、選手との更なる信頼関係の構築にも繋がる。
平井伯昌コーチは競泳のコーチだが、このあり方はコーチ全てに共通する。
また、コーチと選手は、上司と部下、教師と生徒、親と子、医師と患者、営業マンとお客様等にも例えられる。
平井伯昌コーチ、素晴らしいです。
2008/09/05人材育成の考え方や方法