こんにちは。
”魂のコーチング“アクシスエボリューション田中伸一です。
私たちが人間的に成熟していく過程で、大切な要素の一つが、
「思い通りにならないことへの耐性」だと言われています。
日常生活の中で、自分の思い通りにならないことは、誰にでもあることだと思います。
その時に、どう反応するかで、「思い通りにならないことへの耐性」が強化されるか、
されないかが変わってきます。
一般的にありがちなのが、その不満を相手もしくは他の誰かに伝えること。
これはこれで、必要な時もありますが、そればかりだと、人間的な成熟は進みにくいです。
その不満を自分の中で十分に感じる。
そして、その原因を相手にではなく、自分に見出し、自分がどう考え、
どう行動していったらいいのかを考える。
簡単なことではないので、自分の中で葛藤を抱えますが、その葛藤を抱えることで、
人間的な成熟が進んでいきます。
「熟成」されるような感じです。
私の身近で「思い通りにならないことへの耐性」の見本のような存在が、息子・彰悟です。
彰悟は、生後間もなく、気管軟化症という病気で、気道が塞がり、口や鼻で呼吸ができなくなり、
首の下の方の気道に穴を開ける気管切開の手術を受け、そこで呼吸をしています。
気道が塞がっているので、当然、声帯も塞がり、声を出すことができません(笑い声や泣き声も)。
ところが、彰悟が学校に入ったぐらいの時に、しきりに口をパクパク動かし始めます。
「周りの人は、口を動かして、声を出している。僕も口をしっかり動かし、声を出そう。
自分の思っていることを伝えよう」。多分、このように思っていたと思います。
ですが、どれだけ口を動かしても、声帯が塞がっているため、声はでません。
彰悟の口をパクパクする動きは数カ月続きましたが、
(その間、その葛藤を自分で抱えるしかない状態だったと思います)
自分でも、どうしようもないことに気づいたのか、その動きはピタリと止みました。
この数カ月間は、親としても妻と二人で、いたたまれない思いでしたが、
それを受け入れ乗り越えていく息子・彰悟の姿に、ただただ尊敬の念を抱くのみでした。
私自身、まだまだ思い通りにならないことを抱えきれないこともありますが、
一歩でも息子のような存在に近づけるようになろうと思っています。
参考図書:『「これでいい」と心から思える生き方』(野口嘉則さん著)