ある会社での人事制度の話。
これまでの社員の昇進・昇格のコースは1つのみ。
新入社員として入社して、徐々にスキルを身につけ、係長・課長と管理職になり給料も上がっていくというパターン。
しかしながら、スキルを身につけ技術的に優れたものを持っているが、管理職には向かない人もいる。
もちろん、会社に対しての貢献度も高いので、その社員のやる気を引き出すために、専門性を評価した昇進・昇格をコース検討する。
この会社、その制度を検討し導入するまでの、過程の話し合いが素晴らしい。
社長以下経営幹部を中心に話し合うのですが、社員が本当にこの会社に勤めてよかったと思える仕組みを作りたいと真剣に議論します。
「専門職が本当にこの会社に必要だろうか。」
「会社の方向性と合っているのだろうか。」
「管理職で頑張っている人との給料のバランスはどうなんだろうか。」
「どうしたら、この会社で頑張り続けたいと思ってもらえるか。」
「現状の社員にあてはめるとどうなるだろう。」
その結果、管理職系列の専門職系列の2つの昇進・昇格基準を設けることになりました。
人事制度は、会社の方向性に沿って、社員が成長するための仕組みです。
これをどう描いていくかで、社員の働く方向性も大きく変わってきます。
社員本人がいくら頑張っても、その方向性が会社が求めているものと違えば評価されません。
なので、会社としては、経営理念や方針にそって、社員の評価基準や昇進・昇格のステップアップの基準を明確にする必要があります。
「こういう仕事を頑張ってほしい。これが重要な仕事です。」という評価基準。
すると、会社としても評価し、社内でこのように昇進・昇格しますよと。
社員も会社から評価されると嬉しいし、自分自身のキャリアプランも描けるので、おのずとやる気も出てきます。
2008/10/10人事制度の作り方や運用方法