人事制度の運用で大事なポイントの一つが評価決定会議です。
評価決定会議とは、その名の通り社員の評価を決定していくものです。
ある社員を評価する場合、上司A、上司Bの二人が評価すると評価結果がまったく同じになるということは通常ありません。
また、部署により評価の甘辛が起こることもあります。部署全体の成果は、そんなに変わらないのに、C部署の社員の評価平均点は70点、D部署の社員の評価平均点は50点ということもあります。
同じ仕事振りに対しても、評価する人や所属する部署により、自分自身の評価結果が違ってくるとどうでしょうか?
そこで、評価決定会議を行います。
参加者は、会社の規模にもよりますが、評価者はもちろん、その上の上司がいる場合はその上司、また、社長にも参加してもらいます。
評価は、複数の評価者の評価結果を持ち寄り、なぜその評価になるのかを評価項目ごとに、話し合います。
それぞれの評価のポイントを聞き、こういう仕事振りならA評価、そういう仕事振りならC評価というように決めていきます。そこで、評価者間、部署間のバラつきをなくし、会社としての評価基準の見方や価値観を統一していきます。
人事評価は公平性を求められますが、全社員が同じ条件で働くわけではなく、また、人が人を評価するので完全な公平は難しいものです。そこで、評価決定会議を行うことにより透明性・納得性を高めていきます。
大手の企業になると、人事部が全体の評価を調整しますが、中小企業では、社長・評価者が同席し、お互い納得した上で会社としての評価を決定した方が本人へのフィードバックもやりやすく、より納得性が高まります。
それを繰り返し行い、また、その結果を社員にフィードバックしていくことにより、その会社では何が求められるのか、どうすれば成長していくのかということが社内に浸透していきます。
この評価決定会議で、忘れてはならない事があります。
それは、社員の一人ひとりの強み弱みを見極め、部下育成のやり方を振り返ること。
会議では、その名の通り評価を決定することに力が入ります。しかし、人事制度の本質は、社員の育成にあります。
どうすれば自分の部下が、強みを伸ばし、弱みを改善できるか、そして、成長していけるかを上司である評価者が考えることです。
2008/11/14人事制度の作り方や運用方法