ある会社で人材育成について話をしていた時のことです。
その会社のAさんは、コーチングマインドを持った方で、部下に対しても、指示・命令は極力せず、部下自身に気づいてもらうよう質問型で接していました。
それにより、部下も自ら考え動く習慣がつき、部下の成長に伴って、仕事上の権限も積極的に部下に譲っていました。
そして、「今の課題は?」という話になると、
Aさんの直属の部下は能力もアップし成長しているが、その直属の部下が、更に下の新人クラスの社員を指導するときは、まだ、そこまで上手くはいかない。
直属の部下の「部下指導についてのスキルはまだまだです。」とAさん。
Aさん自身が指導したらなんとかなるかもしれないが、それだとAさん直属の部下が成長しない。
そこで、新人の様子を聞くと、なかなか気難しい新人もいるようです。
同じようにコーチング型で育成しようとしても、すぐに効果の出る社員もいれば、時間がかかる社員もいます。
時間がかかる新人ばかりを育成するとなると、その上司もそれを乗り切るまでにそのやり方に自信が持てなくなる時もあります。
そこで、Aさん、「最近は社員を採用する基準を変えました。」と言いました。
以前は、「能力がありそう、仕事ができそう。」という基準で採用していましたが、
今は、「上司を育てる部下になれるか。」だそうです。
上司に自信をつけさせ、上司・部下がこの会社で共に成長できるかを見極めることに。
もちろん、その基準は「素直さ、明るさ」です。
「素直さ、明るさ」は人が成長するために大事な要素ですが、それが「上司を育てる」→「上司に自信をつけさせる」という視点で考えると、それも面白い。なるほどそういう考え方もあるのかと納得しました。
会社は人・社員で構成される組織です。その入口となる採用は重要です。
2008/11/17人材育成の考え方や方法