●田中さんと知り合うまでの経緯を教えてください。

森下社長　創業して１年間、私は１人で会社を立ち上げ、運営してきました。何しろ技術でモノを作る会社なので、社員が増えても人ではなく製品を重視し、拡販に注力してきたところがあります。事業計画的に問題はなく、成功も見えていました。ところが、あとわずかで成功、上場も考えましょうという順風満帆なときに、弊社の約半数の社員が一度に退職してしまった。
それが2008年の12月のことです。当時、私の片腕だった２人の役員が結託し、当時の幹部社員を半数以上引き連れて辞めて、別会社を立ち上げました。仕事のノウハウが分かる社員が一気にいなくなり、経営はもうガタガタ。今まで経験したことがない事態に陥り、私はどうしたらいいか、まったくわからなくなってしまった。それでも、どうにかしないといけない。そこで田中さんのホームページを見て、初めて相談したのです。
思えば、その頃の私は、あまり人に目を向けていませんでした。30人くらしか社員がいないのに、面接から１年間も口をきいていない社員が大勢いた。社長である私は外に対して打って出ないといけない時期だったから、社内のこと、人のことは他の幹部社員に任せていたんです。
しかし、彼らが辞めてしまったら今度は自分が社員を動かしていかなくちゃいけない。そして初めて１人ひとりと話をして驚きました。社員のこと、何も知らなかったんですよ、私。これでは社員はついてこないな、と。会社がこういう状態になったのは自分のせいだと、改めて反省しました。
今は仕事上のコミュニケーションはもちろん、公私ともに社員が何に興味を持ち、どんな悩みを抱えているのか、自分から知ろうという意欲を持っています。

●田中さんに依頼してよかったと感じる点は？

森下社長　私たちは技術畑の人間。専門性の高い製品を作っています。だから社員もある程度頭数をそろえてまとめて教育していかなくちゃいけない。それだけで手一杯なんです。しかも、技術畑の人間って論理展開するのが好き。行動原理も然りで、自分がこれと決めたらその目標しか見えなくなりがちです。
しかし、田中さんに入っていただくことで、社員１人ひとりの考え方だとか、特性に気づくことができるし、客観的に社員に伝えるべきことも見えてくる。たとえば、研修を始めるまでは見えなかった理想的な人事とか、今まではうっすらと見えていたものが、はっきりと浮かび上がってくる。もしかしたら、以前は目に入れようとしなかった社員の個性や才能に目に向ける余裕が出てきたのかもしれません。

●田中さんの研修や面談はいかがですか？

前田課長　リーダー研修は田中さんの人柄もあり、とてもほんわかして優しい雰囲気でした。相手を１人の人間として見て、相手の話をよく聞いて、相手のことを受け止める。その後、それを受け入れるかどうかを自分で判断しなさい、というお話があり、なるほどと思いましたね。リーダーというのはとりあえず相手の話をよく聞いて、相手に問いかけ、相手に考えさせることが大事。自分には欠けていた視点だなと感じました。

渡辺課長　田中さんの話を聞いて、それまでの私は部下にティーチングをしていたんだなあと痛感しました。部下に出すのは指示ばかり。言い方もきつかったかもしれません。
しかし、田中さんの研修に参加してから、部下から相談されたら「じゃあどうしたらいいと思う？」「どうしたらベストだと思う？」と、問いかけられるようになりました。
部下の成長は私の成長であり、会社の成長でもあります。私が外出などで席をはずしていても、部下には自分たちで判断し問題を解決できるように伸びて欲しいですからね。私が指示を出してばかりでは、部下も成長できない。ですから、部下が成長するために私は何ができるか、考える習慣がついたのは良かったと思います。

國廣課長代理　私はまさにブロッキングタイプ。他人の意見や言葉を聞こうとしないタイプだったと気づきました。ですから、聞くという行為に注力しよう、と、今も気を付けている最中です。振り返ると本当に反省すべき点がたくさん見えてきますよ。たとえば、部下の話を聞くときも、パソコンを見ながら聞いていたり。それでは部下の信頼は得られませんよね。
また、私が所属する営業支援部では、製品を導入した後のサポートも行います。「相手の話を聞く」という行為は、お客様に対しても大いに発揮される力。お客様の問い合わせをきちんと最後まで聞いて、しっかり把握をしてから、対応する。そうすることにより話がスムーズに伝わり合い、早く問題が解決するようになったと感じています。

森下社長　毎月の研修のはじめに、この一カ月間どうだったか、田中さんに報告するんですね。自分もさることながら、各リーダーたちが変わっていったのが分かる。きっと成長に対して渇望するものがあったんだろうと思います。社内の絆も強まった印象がありますよ。横も上下のつながりも強まっている気がします。
ひとつの問い合わせに対して、たとえば他のチームが動いて、それを受けてすぐに他のチームも動いて・・・と、社内全体の協力体制が整っている気がします。それに以前よりも笑顔が増えたかもしれません。

●部下育成面談サポートはいかがでした？

森下社長　マネージャー以上は社長である私が面談しますが、そこに田中さんも同席していただきます。面談される側は田中さんが作成したフォーマットを、半期で1枚提出します。フォーマットには個人の目標等を書き込み、達成度と報告も書き込むんです。
面談ではその目標を実現するためにはどうすればいいか、具体的な話し合いをします。部下の話を聞かなくちゃいけないことはわかっていても、ついつい自分が話し過ぎてしまう。そこを田中さんに注意していただきながら、部下自身の話を引き出すように導いていく。これがなかなか難しくて。田中さんには本当に助けていただいていますよ。客観的に見た視点で、いい点や注意点を教えてもらえるところがありがたい。勉強になっていますね。

●田中さんがいてくれて変わったこと。学んだこと。得られたこと。

渡辺課長　田中さんって少し変わっているけれど、人間的にとても温かい方。いろんなことを包み込んでくれる尊敬できる人です。研修を受けて本当に人の話を聞くようになりました。一緒に研修を受けたメンバーを見ていても変わったな、と感じる。私も含めてみんな人の話を聞いていないと思う節があり、そこが改善されたと思います。

國廣課長代理　私から見た田中さんは朗らかで、優しい人。そして芯がある人ですね。素晴らしく尊敬できると感じています。田中さんの研修やコーチングを通して、どのようにこちらが接すれば人が動くのか、とても重要なことを学ばせていただきました。

前田課長　研修を受けて話を聞くことの大切さ、人を知ろうとすることの大切さを学びました。他人に興味を持つようになったかな。コミュニケーションも増えましたし、人間関係もよくなってきたと実感しています。これからも相手を知ろうという気持ちを持ち続けていきたい。
田中さんは本当に不思議な人ですよ。とてもクリーンな方だという印象。あの朗らかさはぜひ身に着けたいなと思います。とても頼りになる先生です。

森下社長　以前は知識として知っていたコーチングですが、実際に研修してもらい、その楽しさも理解できました。現在は月１回の研修が定着して社内にもいい効果が出ていると実感しています。一時だけの勉強ではなく、定着することが大事。これからも、社員や田中さんといろんな話をしていきたいですね。
田中さんはとても愛がある方。本当にいいご縁をいただいたと思っています。もう田中さんは私たちの仲間です。これからもこういう方と知り合い、大事にしていただける会社、組織にしていきたいと思います。